肉体強化のカギは、手づくりおにぎりにあり-。巨人戸根千明投手(23)が29日、川崎市内のジャイアンツ球場でトレーニングを実施。帰り際、練習の仕上げにとバッグから取り出したのは、まん丸のおにぎりだった。「間食として持ってきているんです。1日6個は作っています」と胸を張った。

 今月下旬に退寮し、都内で1人暮らしを始めた。「食べたいものを食べる」がモットーで身長173センチ、体重93キロの肉体から力強い球を投げるのが持ち味。自炊を始める際、太らないようにしながらも必要な栄養分を取る方法を学ぼうと、栄養学の本を3冊購入した。「食べ過ぎは良くないけど、タンパク質と炭水化物の量を落とすとエネルギーがなくなる。筋肉は減らしたくないので胃腸に負担をかけないよう、小まめに食事を取るのが大事」。1回の食事量を腹八分目にし、1日6食生活を始めた。

 間食に選んだおにぎりは「おなかにたまるしヘルシーなので」と栄養価の高い雑穀米を使用。毎朝、自慢の大きな手で握り、練習の合間にも食べる。空腹の時間を短くして過食を防ぎつつ、トレーニングに必要なエネルギーも過不足なく補給できている。

 今季は新人ながら中継ぎ左腕として46試合に登板。防御率は2・88、プロ初勝利も挙げた。それでも「まだまだです。僕みたいな選手は自己管理、自己投資をしないと」。大きめのにぎり飯を携え、鍛錬の冬を乗り切る。【浜本卓也】