日本ハムの守護神・増井浩俊投手(31)が1日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、1億円増となる年俸2億2000万円プラス出来高払い(金額は推定)の2年契約でサインした。今季は球団記録に並ぶ39セーブを挙げ、5年連続50試合以上登板も達成。09年ドラフト5位という下位指名で入団して6年、2億円プレーヤーの仲間入りを果たし、チームの投手陣最高年俸となった。

 大型契約でサインしても、増井は変わらず、優しい父親だった。2年契約の年俸2億2000万円プラス出来高払い。2億円という数字に「超一流というイメージ。自分がその額をもらえるとは信じられない」と驚いたが、「家族にぜいたくをさせてあげたいです。子ども(長男)の誕生日が5日なので、何か買ってあげたい。それと奥さんがゆっくりできる旅行に連れて行ってあげたいですね」と、ほほ笑んだ。年俸900万円、ドラフト5位で入団したのが5年前。“パパ”は、チームの投手陣最高年俸選手になった。

 昨季途中から抑えを任されるようになり、今季は初めて守護神としてシーズンをスタートした。6~7月にかけて17試合連続無失点を記録するなど、1年間を通して安定した投球を続け、球団記録に並ぶ39セーブをマーク。5年連続50試合以上登板も達成した。「最後までポジション(守護神)を守りきれたのでいいシーズンだった」と振り返った。

 国際大会「プレミア12」で侍ジャパンの一員として活躍。準決勝の韓国戦など「貴重な経験」を得た一方、フル回転で1年間を過ごし、右肩を酷使した。「まずは体を休めたいです」。今は回復に努め、スローペースでオフを過ごすつもりでいる。

 そして来季、さらに上を目指していく。セーブ王のタイトルを獲得したソフトバンクのサファテ(41セーブ)には、防御率、登板試合数、イニング数など、すべての数字で負けた。「パ・リーグの抑えの中で、一番だった成績はひとつもない。日本球界で一番の抑えになりたいです。評価に見合った活躍をしていかなければいけない」。超一流の仲間入りを果たしても、向上心が尽きることはない。【本間翼】

 ◆日本ハムの推定年俸2億円以上(外国人選手除く) 投手では、05年まで4年連続2桁勝利を挙げた06年金村暁(2億2000万円)が球団初の「2億円投手」となった。ほか、ダルビッシュ有(08~11年)、武田久(12~14年)、武田勝(13年)に続いて増井で球団史上5人目。野手では落合博満(97、98年)小笠原道大(03~06年)新庄剛志(06年)稲葉篤紀(08~13年)田中賢介(11、12年)、15年の中田翔、陽岱鋼がいる。

 3億円以上は、11年に球団史上最高5億円のダルビッシュ、04、05年に野手最高4億円の小笠原のほか、落合、新庄の4人。ドラフト順位では武田久、武田勝の4巡目が最も遅かった。