今季左肘故障で登板なしに終わった中日岩瀬仁紀投手(41)が7日、球団事務所で契約交渉を行い、2億5000万円ダウンの年俸5000万円で更改した。通算402セーブ左腕も「今年1年、何もしていないので、それぐらいになるのは覚悟していた」と現実を受け止めた。減給額は13年巨人小笠原の3億6000万円に次いで史上2番目となった(金額は推定)。

 落合GMに現役続行を問われたのは9月。「正直やめろと言われると思っていた。GMに『投げられるならやりたい』と言ったら『じゃあ、お前の好きにしろ』と言ってもらえた」。それでも来季の契約を申し込むには、投げられる自信が足りなかった。

 シーズンが終わり、ナゴヤ球場や鳥取でトレーニングを続け、投じる球に可能性を実感。50歳で現役を引退した山本昌氏から「お前は続けろ」と声をかけられたという。自信を取り戻し、11月26日の球団納会で落合GMに契約更改を直談判。「やるか、やらないか。金額は関係ない」と額は不問で、現役続行を最終決断した。

 守護神候補にドミニカ共和国出身の160キロ右腕ハイメを獲得。福谷や田島ら若手選手たちも手を挙げている。「結果が出なかったら譲るだけ。投げて結果を見て終わりたい」。来年42歳を迎えるチーム最年長左腕が、9回のマウンド復帰に向け、スタートラインに立った。【宮崎えり子】

 ▼岩瀬が年俸3億円から2億5000万円ダウンの5000万円で契約更改。減額幅は13年小笠原(巨人)の3億6000万円減(4億3000万円→7000万円)に次ぐ史上2位。ダウン率83%は、移籍を伴わないケースでは03年伊藤智(ヤクルト)の88%減(8000万円→1000万円)、前記小笠原の84%に次いで3番目となる。

<年俸が2億円以上ダウンした選手>

 (1)小笠原道大(巨人内野手)▼36000(12年43000→13年7000)

 (2)岩瀬仁紀(中日投手)▼25000(15年30000→16年5000)

 (3)※山崎武司(楽天→中日内野手)▼22000(11年25000→12年3000)

 (4)※井端弘和(中日→巨人内野手)▼20500(13年25000→14年4500)

 (5)▲工藤公康(巨人→横浜投手)▼20000(06年29000→07年9000)

 (6)松中信彦(ソフトバンク内野手)▼20000(10年40000→11年20000)

 (7)清水直行(DeNA投手)▼20000(11年25000→12年5000

※は自由契約で移籍、▲はFAの人的補償で移籍。単位は万円=推定