阪神は来季残留交渉中で不法賭博疑惑に揺れる呉昇桓投手(33)との交渉を打ち切ることが決定的になった。10日、韓国大手紙の中央日報電子版が「検察が呉昇桓を在宅起訴すると発表した」と報じた。前日9日に呉昇桓がソウル中央地検に出頭し、疑惑の一部を認めた。阪神も起訴なら交渉を打ち切る方針を示しており、退団が確実になった。

 2年連続セーブ王が最悪の形でタテジマを去る。阪神は金本新体制になっても呉昇桓のリリーフとしての力量を高く評価し、強く慰留してきた。かねてメジャー志向が強かったが、心を揺さぶり、来季も虎でプレーしてもおかしくない状況だった。だが、在宅起訴を避けられない情勢になり、阪神も来季の戦力を整える上で影響が出ていることから苦渋の決断を下す。

 いつまでも先が見えない不法賭博疑惑の結論を待つわけにいかない。球団首脳は「もうかじを切らないといけないだろう」と話すように今後は呉昇桓に代わる守護神候補として新外国人投手の獲得に全力を注ぐ。

 米大リーグでプレーする選手から重点的に探すが、新たに有力候補に浮上したのが今季、レンジャーズで33試合に救援登板したマリナーズのアンソニー・バス投手(28)だ。メジャー通算5勝9敗3セーブ、防御率4・40。188センチの長身右腕は150キロ近い速球を武器に勝負してきた。また、先発と中継ぎをこなせる前広島のヒースの獲得を検討するほか、前ヤクルトのバーネットを獲得調査しており、今後、候補を絞り込んでアタックに入る。