復帰の目標は来年7・18! 巨人杉内俊哉投手(35)が13日、長崎・諫早市でイベントに参加。10月1日に右股関節形成の手術を受けた術後初めて公の場に姿を見せ、順調に回復していることを明かした。医師の見立てより早く、すでに自力で歩けるまでになっており、来季の後半戦開幕での1軍復帰に照準を合わせていた。

 足取りはしっかりしていた。10月1日の手術以降、初めて公の場に現れた杉内は松葉づえなどの補助はなくイベントに参加した。「ここまで歩けると思っていなかった。歩けなかったころと比べたら、今はすごく良い感じになっています。ちょっと光が見えてる感じはありますよ」。手術から2カ月半。術後、医師からは「年内にやっと歩けるぐらい」と説明されたが、予想をはるかに超える姿だった。

 照準に定めたのは、後半戦の開幕だった。「もちろん、そこを目指して。1日でも早ければいいですから」。驚異的な回復力だからこそ、7月18日の阪神戦を視野に入れた。術後は寝たきりで、CSもベッドの上で観戦した。「車いす生活は長かった」と話すが、11月末から、松葉づえなどは使わず、自力での歩行を開始。現在は車の運転や1日30分以内のウオーキングが可能となった。「(痛みは)ないね」と断言。1月からは例年通り、鹿児島で自主トレを実施し、2月の春季キャンプに臨む。

 不退転の覚悟で臨むシーズンとなる。10日の契約更改では、4億5000万円ダウンの推定5000万円でサイン。出来高は付けたが、自ら申し入れ、大幅減で退路を断った。引退も頭をよぎるか、と問われ「いや、まだね。もう1回ね、マウンドに立ちたいし、そんな年じゃないと思ってるから。引退なんか考える年じゃない。まだまだ早いですね」と力を込めた。

 今回の手術はプロ野球界に前例がない。それでも、現実を受け止めた。「野球選手ではいないって、聞きましたけど」と前置きした上で、前例のなかったトミー・ジョン手術から復活した村田兆治氏のように、先駆者となる気概を示した。「高橋監督にはお世話になっているので、いつ復帰か分かりませんけど、最後、輪の中にいれたらなと思ってます」。今季は痛み止めの薬や座薬を打ちながらの登板だった。痛みとは決別し、巨人の18番は、マウンドに帰る。【細江純平】