広島黒田博樹投手(40)を分析。

 8年ぶりに日本球界へ復帰した40歳の黒田が11勝を挙げた。

 メジャーから復帰1年目に2桁勝利は03年伊良部(阪神)06年石井一(ヤクルト)に次いで3人目になる。40歳以上のシーズンに2桁勝利を挙げたのは08年の山本昌(中日)と下柳(阪神)以来6人、9度目。右投手は1リーグ時代の48、49年若林(阪神)パ・リーグの90年村田(ロッテ)に次いで3人目となり、セ・リーグでは初めてだった。

 黒田は169回2/3を投げ規定投球回をクリア。リーグ7位の防御率2・55をマークした。今季のセ・リーグは平均防御率3・24で、80~00年代に比べれば投高打低だったが、規定投球回に到達した40代投手の防御率としては48年若林の2・48、89年村田の2・50に次いで3番目に良かった。

 中4日でも3度先発した。8月23日巨人戦、9月28日DeNA戦で白星を挙げ、中4日の成績は2勝1敗、防御率1・80。40代の投手が先発するだけでも珍しいのに、登板間隔別の防御率は中4日が最も良かった。40歳を過ぎてから中4日以内の先発勝利は、1リーグ時代の若林が48年に5度、49年にも5度記録しているが、2リーグ制後は08年8月17日山本昌と黒田だけ。2リーグ制後に「中4日先発で2勝」は黒田が初めてだ。

 ピンチは併殺で切り抜けた。6月12日ソフトバンク戦では2回に今宮、4回に李大浩、6回に内川を併殺打で打ち取るなど、打たせた併殺打が石川(ヤクルト)に並びリーグ最多の19本。リーグ最多は01、03年に次いで3度目と、メジャー移籍前もシュートで併殺打を打たせるのが得意だったが、今季の併殺機会(無死か1死で走者が一塁にいるケース)は117度。併殺率1割6分2厘は03年に次いで自身2番目に高かった。【伊藤友一】