日本ハム大谷翔平投手(21)が、今秋のドラフト超目玉候補に熱烈ラブコールを送った。15日、都内で行われた「第50回テレビ朝日ビッグスポーツ賞」の授賞式に出席し、同じ94年生まれの創価大・田中正義投手(21=創価)と対面した。ドラフト1位指名候補の最速156キロ右腕に対し、「一緒に頑張っていきたい」「味方の方が頼もしいですよ」と、日本ハムでの共闘を熱望していた。

 壮観だった。193センチの大谷と186センチの田中。日本球界を背負っていくであろう2人の至宝が、壇上に並び立った。王貞治氏も思わず「体の大きさを見ても、おおいに期待したい」と圧倒された。大谷は「同じチームでやる可能性もあるので、もし同じチームになったら一緒に頑張っていきたいです」。公然と、熱烈なラブコールを送った。

 田中は12球団が1位候補としてリストアップする逸材。日本ハムでも、創価高の先輩である栗山監督が「誰がくじを外して納得するかと言ったら、先輩の俺じゃん」と、既に抽選役に“立候補”している。

 公の場では初のツーショットだが、昨年末、都内でトレーニング中に1度顔を合わせており、この日が2度目の対面。既に連絡先も交換しており「真面目そう。お互い、いなかったら(会場で)話す相手がいないので、いてよかった」と、式典中は終始談笑していた。田中の投球は映像で見たことしかないが「真っすぐが素晴らしい印象。真っすぐの精度が高いんだろうなと思う」。日本人最速右腕が、自身の武器でもある直球を認めている。

 投打「二刀流」を続ける大谷の場合、打者として超一流投手と対戦するという楽しみも存在する。1年目には当時楽天のヤンキース田中に抑え込まれる一方、オリックス金子から本塁打を放つなど、好投手との対戦で腕を磨いてきた。だが、創価大・田中に関しては、即答した。「そりゃあ味方の方がいいですよ」。はっきりと、共闘を待ち望んだ。

 “願い”が届くかどうかは、今秋のドラフト会議次第だが、まずはその前に4年目を迎える今季がある。「(プロ入り)3年が終わって、大学生だったら最後の年になる。集大成として、結果を残しにいけるように。それがリーグ優勝、日本一につながればいいなと思います」。先に足を踏み入れたプロの世界で、さらに大きくなって、そのときを待つ。【本間翼】