中日ドラフト2位の佐藤優投手(22=東北福祉大)が19日、ナゴヤ球場での合同自主トレで初めてブルペン入りした。腕を柔らかくしならせ、球が遅れて出てくる独特のフォームは横浜、近鉄でセットアッパーとして活躍した盛田幸妃氏のようと評された。

 4人が並ぶ室内ブルペンで、明らかに異彩を放っていた。長い腕を体に巻き付かせるように振り抜くと、伸びのある直球が桂のミットをたたいた。中腰で33球を受けた桂は「打者はボールの出どころが見にくいかもしれない」と評した。

 大塚投手コーチも捕手側から興味深く見守っていた。「投げ方が柔らかいね。今日見た10人くらいの中では一番球がいっているように見えた」。そして自ら「盛田さんみたいな感じですね」と佐藤の腕の振りについて解説した。

 盛田さんは脳腫瘍から劇的に復活して「奇跡のリリーバー」と言われた名セットアッパー。昨年他界したが、同じように長い腕をしならせて投げ込む直球が最大の武器だった。大洋(当時)に入団した谷繁監督が最初に驚いたのが1学年上の先輩右腕の剛球だったという。

 佐藤も谷繁監督を驚かすか-。キャンプ1軍スタートは内定。大学では先発だったが、首脳陣は中継ぎ、抑えで1年目から使える可能性を指摘する。最速151キロに加え、短いイニングの方が打者がタイミングを合わせるのに苦労するのは間違いない。

 投げ方はナチュラルにでき上がったもの。「まだそんなに力を入れていない。感覚的にはまだまだ。仕上がりは5~6割くらいです。1日80球くらい投げられるようにして、キャンプに入りたい」と控えめに振り返ったドラ2右腕。大成する可能性を十分に示す初ブルペンだった。【柏原誠】

 ◆佐藤優(さとう・ゆう)1993年(平5)6月29日、宮城県大崎市出身。小学5年で野球を始め、古川学園では甲子園出場なし。仙台6大学リーグで今春4勝2完封と活躍し注目される。通算11勝2敗、防御率1・29。直球のほかカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク。187センチ、85キロ。右投げ左打ち。両親と兄、妹。