巨人ドラフト1位の桜井俊貴投手(22=立命大)が30日、宮崎キャンプで臨時コーチを務める松井秀喜氏との“初対戦”を心待ちにした。「自分からは頼みにくいです。松井さんに時間があれば…」と控えめに話しながら、実現すれば「バッター目線から見た、嫌な投手を聞いてみたいです」と成功の秘訣(ひけつ)を質問事項に挙げた。

 クレバーな右腕は、ブルペンでも同じだった。長野、菅野ら主力が見守る中、「緊張はしなかったです」と立ち投げで41球。「球のキレを意識して投げました。すごくいい感じで投げられた」と周りは気にせず、淡々と投げ込んだ。

 どんな場面、状況でも簡単には左右されない。3つの「投球のおきて」が桜井の脳内にはある。

 (1)マイペース 「焦って、ケガしては意味がない」 

 (2)ワインドアップとセットポジションの球数は同じ 「どちらも重要です。できるだけ、同じ球数を投げるようにしています」

 (3)ブルペンで下半身にブレがあれば、ランニング この日は投球後に約100メートルのダッシュを5本。「意識付け。ダメなときはいつも短い距離を走ります」。 偏差値「64」の北須磨高(兵庫)に合格した頭脳派ならではの“技法”。立命大では卒論のテーマを鎌倉時代の「御成敗式目」に設定したが、ブルペンでの投球にも桜井流の「おきて」があった。

 かつて、菅野は14年の宮崎春季キャンプで松井氏の懐をえぐった。桜井も憧れのスーパースターから金言をゲットし、レベルアップにつなげる。【細江純平】