打撃だけではなく守備の意識も高い。楽天のドラフト3位、茂木栄五郎内野手(21=早大)が8日、フットワークの改善に取り組むべく、名手・藤田の技に目を光らせた。遊撃でノックを受けていたが、途中から二塁へ向かった。「藤田さんを参考にしたかった」。13年から2年連続でゴールデングラブ賞に輝いた名手の守備を間近で観察するために、自らの意思で移動した。

 課題克服のためだった。「ゴロを捕る時に右膝が内側に入ってしまう癖があるんです」。小刻みに足を動かすことはできるが、それだと動きがどうしてもせわしなくなって落ち着いて守備ができなくなるという。「大きく股を割れ」。茂木の欠点を指摘したのが、真喜志内野守備走塁コーチだった。捕球に入る直前に股を開いた状態で右足を踏み出せれば、ステップの際に力強い足さばきとなり、送球も安定する。

 藤田という、生きた教材から学ばない手はない。「自分の力で戦えるくらいの技術と精神力をつけたいんで」。ハンドリングや足さばきなど吸収すべき要素は多いが、今は一瞬たりとも時間を無駄にできない。梨田監督は「ユーティリティーに使う」と言うが、茂木は「ショートとサードで出ることが多いと思いますけど、ショートで勝負したい」と宣言。定位置奪取を誓った。【田口元義】

 ◆今季の楽天内野陣 定位置争いは予測が難しい。一塁候補の新外国人アマダーはDHでの出場も濃厚。銀次と中川は三塁との併用もあり得る。二塁は藤田が大本命で、阿部、茂木、三好が横並び。三塁は本命の今江がケガで出遅れており、開幕に間に合わなければ銀次か、ウィーラーの可能性もある。遊撃は、現在2軍で調整中の後藤が実戦で結果を残せば、スタメン起用も。