金本阪神の実戦1号は、3年目の大砲候補、陽川尚将内野手(24)だった。紅白戦に白組の6番一塁で先発。2回2死の初打席で、岩貞の144キロ速球を左翼スタンドに弾丸ライナーで運んだ。カウント2-2と追い込まれながらの1発に「コンパクトに振ることを意識した。体がうまく反応してくれました」と打力を披露した。

 チーム1号を放つ9日前、金本監督から「ポカリ1号」も見舞われた。昨秋キャンプから金本監督に軸回転を意識して打つ指導を受けたが、まだ体にも意識にも染みついていないことを、2日の打撃練習で見破られ、軽く頭をはたかれた。この日も1発の後は2打席連続で内野ゴロ併殺。「1本のあとの打席でもう1本出ていればよかったんですが」と反省した。

 ただ豊かな飛距離に、首脳陣の期待はふくらむ。試合中にも陽川をベンチ前で指導した金本監督は「まだ発展途上。1軍レベルの土俵にはまだ上がってないと思うけど、1つ1つの階段を上っている」と認めた。片岡打撃コーチも「実戦の中で結果が出たことで、自信を持ってやっていってもらいたい」と望んだ。

 昨年春のキャンプも1軍に抜てきされながら、2月中旬の練習試合で左肩を亜脱臼し離脱。大きく遠回りした。毎日アピールを目標に、3年目の1軍キャンプを完走する。【堀まどか】