上々のデビューを果たした。DeNAのドラフト1位、今永昇太投手(22=駒大)が17日、韓国KIAとの練習試合でプロ初実戦登板に臨み、先発で3回を1安打無失点に抑えた。最速146キロの直球に変化球を交えて打者10人を料理。アレックス・ラミレス監督(41)は「非常にいいゲームをつくってくれた」と合格点を与えた。

 緩急がハマった。今永は1回、先頭に10球粘られていきなり四球を出した。チェンジアップで右飛に仕留めてまず1死。さらにカウント2-2と追い込んでから、勇気を持ってカーブを放った。ファウル。またカーブ。二併殺で乗り切った。直球は146キロを記録し、ラミレス監督は「ストレートとチェンジアップのスピード差。左腕でそれができるのは重要。非常にいいピッチングだった」とご機嫌でたたえた。

 開幕ローテ入りへ、第1段階クリアと言える。紅白戦ではベンチから緻密に配球を指示した指揮官が、一切サインを出さなかった。「自分たちでどういう投球をしてくれるか見たかったんだ」。黒羽根とのバッテリーにゲームメークを託した。3回先頭に、この日唯一の被安打となった左翼線二塁打を許すも、果敢に内角を詰まらせて後続をシャットアウト。ドラ1は結果で応えた。

 向上心を忘れない。高評価の一方で、今永自身は多くの課題を見た。「球がうわずったり球数が多くなったり、納得がいかなかった。変化球を磨いてウイニングショットにしないといけない」。初回に22球、3イニングで49球を要した。空振りは3球で奪三振はゼロ。1安打無失点の結果より、内容に反省しきりだった。

 まだ2月、それも韓国チームとの練習試合だ。ラミレス監督は11月に、巨人戦での公式戦デビューを期待していた。「日本のチーム、特にセ・リーグ相手の投球を見たい。次は5イニング、そしてもっと長いイニングとね」。開幕ローテは山口、久保康、井納、モスコーソがほぼ当確し、5~6番手枠を争う状況。「今日は初めてというのを抜きにしてもダメだった」と自分に辛口なルーキーが、株を上げるチャンスはまだまだある。【鎌田良美】