日本ハム浅間大基外野手(19)が、ロッテ9回戦(QVCマリン)でプロ入り初の3安打猛打賞&3打点と大暴れした。急性腰痛からの復帰2戦連続での先発は、右肩痛で欠場した西川の影響もあり1番に抜てきされた。1回に左前打で出塁し先制のホームを踏むと、2回には左中間に2点二塁打、8回には右前適時打とフル回転。停滞ムード漂うチームの起爆剤として、気迫あふれる姿で勝利を呼び込んだ。

 焦がれていた思いを爆発させた。浅間が勢いに乗った。2回無死満塁の絶好機。左中間を割る2点二塁打が、勝利を色濃くした。「いい集中で打席に入れた」。二塁ベース上で拳を振り、持ち味の熱い闘志をむき出しにした。「やっぱり歓声はすごいし、1軍だと感じた」。表舞台に返り咲いた実感を、あらためてかみしめた。

 米ピオリアでのキャンプ中。現地時間2月10日、韓国ロッテとの練習試合だった。打席でスイングした瞬間、腰に痛みが走った。「激痛だった」。当地での実戦3試合を計4打数2安打と好調に滑り出したところでの、悪夢だった。診断結果は腰椎分離症。開幕に間に合わないと知ると「焦る気持ちより、自分の中で切り替えられた」。背負う期待の大きさは新人の昨季、実感した。少し解放された気持ちで、野球と向き合う時間に浸った。

 1軍昇格が迫った4月中旬。田中2軍監督に問われた。「1軍に行きたいか」。浅間は高鳴る胸の内を、はき出した。「もう大丈夫です。行きたいです」。クールな外見の中で、心は沸き上がっていた。栗山監督ら首脳陣は、期待の大きさから昇格時期を慎重に見極めていた。当初は明日2日からの首位ソフトバンク戦での昇格を見込んでいたが、再び借金を背負った4月29日ロッテ戦後、緊急昇格。停滞ムードを吹き飛ばす起爆剤にと前倒しされた。

 昇格2試合目のこの日は、西川が右肩痛で欠場。プロ入り初の1番抜てきに、気迫で応えた。1回に初球打ちの左前打で出塁し、先制の本塁を踏んだ。「1番で初球を打って、一気に流れを持ってきたかった」という、狙い通り。2回に続き、8回にもダメ押しの右前適時打を放ち、ともにプロ初となる3安打、3打点の大暴れ。「出させてもらっている以上、結果で応えていきたい」。19歳の荒々しい力が、勝利への源になった。【田中彩友美】

 ▼3安打3打点の日本ハム浅間はプロ2年目、出場48試合目で初の猛打賞となった。マルチ安打は15年5月6日楽天戦(札幌ドーム)で初めて記録し、1日ロッテ戦(QVCマリン)で15年9月23日ソフトバンク戦(札幌ドーム)以来7度目となる。1試合3打点も初めてで、過去2打点が3試合あるのが最高だった。