汚名はプレーでそそぐしかない。前日17日の敗戦の要因を招いた主力2人が、阪神の接戦勝利に大きく貢献した。

 まずは鳥谷だ。同点の4回1死満塁で左翼に流し打ちで犠飛を打ち上げ、勝ち越し打点をマーク。「チャンスだったし、1本打ちたかったけど…。でも昨日負けているし、勝ててよかったです」。前日は9回にフライをまさかの落球、逆転される流れを加速させ、金本監督から「高校生に笑われる!」と断罪された。

 さらに主砲ゴメス。5回にダメ押しの11号ソロを放った。「いい感じで打てたね。確かに最近いろいろあったけど、ミスをしようとしているわけではないし、終わったことは終わったこととして新たに全力でプレーしたよ」。ゴメスも前日の試合で失策、さらに15日DeNA戦(横浜)でも痛い落球と、指揮官に「主力がミスしたらダメ!」と指摘されていた。

 この日は試合前から異例の光景が展開された。通常なら打撃練習が行われる午後2時過ぎからシートノック、それも飛球を捕るだけのノックが約30分間も行われた。この練習について「捕れないから? その通り」と答えていた金本監督。試合後は2人の仕事に「キッチリ1点ずつ。トリ(鳥谷)には適時打でお返ししてほしかったけどね」と静かに話した。【高原寿夫】