吉凶データ、どっちが強い!? ロッテは23日、先発投手陣がQVCマリン室内で練習した。今日24日の西武戦(上毛敷島)に先発する石川歩投手(28)は西武戦7連勝中。しかも、地方球場はプロ入り以来2戦2勝の負けなしだ。一方、チームは交流戦明け初戦は11戦全敗と、交流戦が始まってから1つも勝っていない。ロッテ版「ほこ×たて」を制すのは、どっちのデータ?

 目下リーグ防御率トップの石川も苦笑いするしかなかった。交流戦が始まってから昨年までの11年間、リーグ戦再開初戦全敗中…。しょせんはジンクスと切り捨ててもいいが、8勝目を狙う右腕には不都合な事実だ。練習を終えると「11連敗って、大きくないですか?」と思わず漏らした。交流戦優勝の05年、06年も負けた。今年も交流戦2位と乗っているだけに「気を引き締めます」と気合が入った。

 凶兆データを“ほこ”だとすれば、吉兆データの“たて”は自ら打ち立てた。西武戦は、プロ1年目の14年9月10日から7連勝中。今季も既に2戦2勝のお得意様だ。石川本人は「いつか負けますから」と流したが、首脳陣がここまで火曜登板だった石川を金曜に変更したのも、西武戦の相性を考えたから。落合投手コーチは「頭を取るのは大事。だから、石川と涌井で行く」と、各カード初戦に両輪を当てる狙いを説いた。

 “たて”は、もう1つある。地方球場だ。昨年6月の旭川(日本ハム戦)に、前回登板の岐阜(中日戦)と、石川はプロ入り以来2戦2勝の負けなし。「地方球場は試合の入り方が変わる。ブルペンが外だし、マウンドもブルペンの感じと違うことが多い。それに慣れること」とコツを挙げた。初めてのマウンドにも、どっしり構えている。

 どんな盾でも突き通す“ほこ”か、どんな矛でも防ぐ“たて”か。そんな論争を一刀両断するかのように、伊東監督は「基本は目先の試合に集中すること」と強調した。首位ソフトバンクは7・5ゲーム先。「そこばかり見て戦うのは良くない。前後の試合が大事。あくまでも挑戦権を得ること」と続けた。まずは西武戦に勝ち越して、次カードのソフトバンク戦に弾みを付ける。【古川真弥】