6月マジック点灯のシナリオは序盤で崩壊した。ソフトバンク武田が、まさかの背信投球だ。初回に2死から3連打。ロッテの主軸に対し、勝負どころで球が甘くなった。5番ナバーロには内角を狙った直球が真ん中に入った。適時二塁打で2点を先制された。3回には11球連続ボールで3者連続四球を与えるなど、立ち直れずに4失点。

 「コントロールがダメだった。申し訳ないという気持ちが大きい」

 合計6失点で3回降板。くしくも昨年8月8日のロッテ戦以来となる自己ワーストタイの最短KOだった。工藤監督は武田のマウンドでの心理を読んだ。「最初の2点を取られたことで、気持ちの問題が出た。ストライクが入らなくなり、投手の典型として、打たれるのが怖くなる。そうなったら、どうにもならなくなる」。右腕の連勝は「7」でストップした。

 この日は「鷹の祭典」。チャンピオンブルーの青ユニホームが東京ドームを埋めた。「東京のファンにいいところを見せたい気持ちがあったが、結果が伴わずに残念」と工藤監督。6月のマジック点灯の可能性は消滅。しかし65年南海が記録した7月6日の更新は射程圏内だ。【田口真一郎】