4年目でレギュラー定着に突進する阪神北條史也内野手(21)が「大食い増量」で過酷な夏を乗り切る構えだ。ここまで55試合と出場機会が激増し、打率2割6分5厘と健闘。さらにバナナや炭水化物などの間食を試合中にも口にするなど努力し、懸案だった体重キープに成功している。

 間もなく6月も終わるが、いまの体重は76、77キロだという。北條は「維持はしています。プロテインも意識して多めに摂ったり。ベストの体重は分かりませんが、いまでいいと思っていない。増やしていこうと思っています」と打ち明けた。昨季わずか1試合にとどまった出場数は55試合に激増。ヘイグが出場選手登録を抹消された6月6日以降は、スタメン機会が特に増えた。目下、8試合連続で三塁で先発している。

 29日、高山と中谷に密着した金本監督も2人の話題の際「北條はキャンプの1時間ほどで(助言通りに)できた。あとは好きなように好きな感覚、好きなタイミングで打てばいい」と指摘。指揮官も技術面に太鼓判を押すだけに、夏到来を前に、不安要素は体力面だろう。3月中旬にはキャンプ時に比べて体重が4キロ減り、金本監督が心配する一幕もあった。北條も「夏場は体重が減ると思う。試合中に何も口にしなかったら落ちていく。いまのうちにトレーニングもしっかりやらないと」と危機感をにじませる。昼夜を問わず、試合中まで栄養を詰め込み、シーズンを走りきる。【酒井俊作】

 ◆北條のここまで プロ4年目で初の開幕1軍入り。4月3日DeNA戦で代打で登場し、石田からプロ初安打を本塁打で決めた。同10日巨人戦に「7番三塁」で初スタメン。5月8日ヤクルト戦でプロ初の3安打猛打賞を記録した。5月は24試合のうち先発は12試合とペースダウンしたが、6月は21試合のうち17試合で先発と機会を増やしている。