阪神金本監督が高山と中谷を強化指定し、熱血指導に乗り出した。29日、DeNA戦前の早出練習と雨天中止後の居残り練習に招集。合計約90分、1対2の個別レッスンを行った。「2人をピックアップして、集中してしばらくやっていこうかなと思う。選手を入れ替えるほど時間と余裕はない。これと決めた選手をね」。指導は休日だった27日から始まり、シーズン中では異例のミニキャンプの様相だ。

 打撃で時折見せるもろさは、理にかなったフォームが固まっていないからとみていた。監督の考える一番の特効薬は素振り。「形を作るには素振り。マシンを打って形を作るのはなかなか難しい。素振りしたことをマシンの練習で試すことがベターだと思う」。この日も90分のほとんどをバットスイングに費やした。

 バットを振る2人は、息を切らした。そんな若虎に監督は「30分気持ちよくマシンを打つより、背中とか太ももとか体がバリバリに張っていると思う。ということは楽に振っていた証拠。その感覚を覚えて欲しい」とたたみかけた。教える監督も汗だくだ。

 前日28日に連敗を3で止めたが、借金6でBクラスに沈む。そんな中で取り組む指導は、「育成しながら勝っていく」金本スタイルにほかならない。何より、2人を大逆転Vのキーマンと考えるからこその強化指定。「全然あきらめてない」というミラクルに備え、レッスンは続く。【松井清員】