「神ってる」フィナーレを期待して、多くの広島ファンは最後まで席を立たなかった。3点差に広がり迎えた9回も「絶対勝つぞ、カープ」の大合唱。先頭の新井が左前打で出るなど、2死一、二塁と、1発出れば同点という状況を作った。しかし、最後は田中のファウルフライが川端のグラブに収まり、84年以来の12連勝はならなかった。

 緒方監督は「2点しか取れなかったけど、最後の最後まで集中力をみんなが見せてくれてた。目指す形をしてくれた。(連勝ストップも)全然。明日につながるものが見えました」と前向きに語った。

 球団記録に追いつくことはできなかったが、チームに動揺はない。連勝中も、ナインには程よい緊張感があった。この日も先発出場の鈴木と下水流、磯村は早出特打に参加。東出打撃コーチは言う。「選手たちに連勝中だという感覚はないと思う。打てなかった選手は危機感を持って取り組んでいる」。この貪欲さがチームの好調を支えている。

 6月は16勝6敗1分けと大きく勝ち越した。緒方監督は「また明日から移動して1戦1戦。全力で戦っていくだけです」。25年ぶり優勝へ、まだ何も手にしていない。連勝ストップは終わりではない。新たな戦いの始まりだ。【前原淳】