西武岸孝之投手(31)が、取得している国内フリーエージェント(FA)権を行使する可能性のあることが26日、分かった。岸は今季で3年契約が終わる。意向について現時点で本人の口からは一切明かされていない。

 過去の例として、西武はFA権を行使しての残留を認めており、当然、引き留めに全力を尽くすとみられる。看板選手である岸も、残留を基本線に考えているとみられる。しかし、水面下で調査を進めている球界関係者の話を総合すると、岸の権利行使を念頭に置き、今後も調査を継続する価値が十分にあるという。

 今オフのFA戦線は、投手、野手ともに好選手が多い。中でも完投能力が高く、先発ローテの軸としてイニング、勝利数とも確実に計算できる岸は別格の存在だ。FA権を行使した場合は、複数球団が獲得に乗り出す可能性が高い。楽天は、先発投手の補強を最優先とし、岸の動向を注視している。巨人は、岸を含むFA権を保有する全選手の調査を行っている。

 岸は今日27日の日本ハム戦(西武プリンスドーム)に先発する。26日はダッシュ、キャッチボールなどで調整。優勝マジック1が点灯している相手にも「だからこそ、逆に気合が入る。後悔しないような投球をする。ファンの方に恥ずかしくないよう、精いっぱいの姿を見せたい」と話し、自身にとって今季ラストとなる登板に集中する構えを強調した。西武一筋で通算100勝をクリアした本格派右腕の決断が注目される。