巨人が「競合辞さず」の構えで即戦力投手を1位指名する。6日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を開き、20日のドラフト会議の1位指名候補を6投手に絞った。大学生は創価大・田中正義、桜美林大・佐々木千隼、明大・柳裕也(いずれも4年)高校生は履正社・寺島成輝、横浜・藤平尚真、作新学院・今井達也(いずれも3年)の名前が挙がった。

 中でも球団内の評価を二分するとみられるのが156キロ右腕の田中とリーグ戦で53回連続無失点の佐々木だ。複数球団が競合する可能性が高い。巨人は近年は単独指名で堅実な戦略を取ることが多かったが、山下スカウト部長は「一番すぐ戦力になる投手に行く。どこに行っても競合する可能性はある」と断言。3球団以上の争奪戦に加わったのは、計5球団競合の07年高校生ドラフトの由規、同年大学・社会人ドラフトで6球団の大場、3球団の篠田以来となる。

 右肩痛から復調しつつある田中は山下スカウト部長も「秋は本来の投球に近い。力的にはトップクラス」とスケールの大きさを感じる。一方で152キロ右腕の佐々木は変化球も含めた総合力で評価が上昇しており、即戦力のニーズにマッチする。18、19日の最終会議で筆頭候補を絞るが、田中、佐々木が両軸になりそうだ。