サバイバルの秋が始まった。楽天が1日、岡山・倉敷で秋季キャンプをスタートさせた。3年連続Bクラスからの脱却を目指し、梨田昌孝監督(63)は選手間の競争意識を高めてほしいと訓示。激励に訪れた星野副会長も、取り囲む選手に向けて厳しい言葉を投げかけた。17年のAクラス入りに向け、甘えを排除した追い込みの秋にする。

 13年日本一以来のAクラス入りに向けて大変革を求めた。節目の倉敷キャンプ初日。来季で就任2年目を迎える楽天梨田監督が、強い口調で訴えた。

 梨田監督 秋は選手を鍛え上げる時期だけど、1~2人がよくなっただけじゃダメ。全体の底上げをしなければいけない。全員が今までの自分を壊して、新しい自分を見つけてほしい。

 和やかな雰囲気は封印して競争意識を求めた。来季の巻き返しに向けては3つのキーワードをかかげた。

 (1)殻を破れ 「自分はここまでしかできないとか、こういう選手だとか。自分で決めずに新たな面にチャレンジしてほしい」。ポジション、プレーの選択肢、成長意欲。全てにおいて可能性を狭めるなと説いた。

 (2)執念を見せろ 「楽天の選手はみんな優しすぎる。日本シリーズの日本ハム岡の死球くらいの気合がほしい。勝利への執念を見せていかないと」。貪欲に勝ちを目指す姿勢を求めた。

 (3)1球も無駄にするな 「例えば打撃練習。ストライクを見逃してしまったら打撃投手に『すいません!』と謝るくらい1球を大事にしてほしい。その集中力が実戦につながる」と強く訴える。

 17日までのキャンプ期間中には、シート打撃や紅白戦など実戦形式の練習を数多く予定している。「バントミスや走塁死、無駄な四球。今年の課題を実戦の中で鍛えていく」と明確な狙いがある。星野副会長からは「3年連続Bクラスは本当に恥ずかしい。執念でやれ」とハッパを掛けられた。勝負の就任2年目に向けて、監督自らがスタイルを変える準備もある。「僕がカミナリを落としたところを見たことがない? でも、これからの実戦ではあるでしょうね。今までにためたものを出しますよ」。巻き返しの足がかりをつかむ、充実の秋にする。