豪快さの中に緻密さを-。西武橋上野手総合コーチが26日、辻野球の一端を明かした。3年連続Bクラスからの脱却に向け、犠打成功率の向上を指摘。「辻監督も(攻撃には)細かくつなぐ希望を持っている。まず数より成功率。最低限、リーグ平均までは持っていかないと」と力を込めた。

 新監督の就任直後から、来季に向けた話し合いを重ねてきた。今季のバント安打を含む犠打の成功率はリーグワーストの7割3分。パの平均値(8割4分7厘)を大きく下回った。本塁打数、長打率は同1位と豪快な打撃は最大の魅力。一方で細かな野球に課題を残し「(来春は)時間を割いて指導していこうという話をしている」と明かした。

 中村、メヒアら主軸にも、つなぎの意識付けを行う方針という。「(監督は)例外的な部分は設けないとおっしゃっていた。バント、進塁打のサインが彼らに出るのはよっぽどの場面。彼らから成功率を上げる意識で入ってもらいたいと思う」。調子や局面に関係なく自由に打たせる聖域の撤廃。チーム全体の意識改革へ「いい効果が生まれるのでは」と話した。

 この日は駿河台大で講演し、学生たちへ「変わることは進歩」と語りかけた。リーグ随一の破壊力に緻密さを加える辻野球で、巻き返しを図る。【佐竹実】