巨人内海哲也投手(34)が29日、ミスターからのお墨付きに、完全復活を誓った。社会貢献活動を評価され、都内ホテルで行われた「ゴールデンスピリット賞」の表彰式に出席。選考委員の長嶋茂雄終身名誉監督(80)から「35歳最強説」を説かれた。

 ミスターのオーラに我を忘れても、内海はその言葉だけは聞き逃さなかった。表彰式後のパーティー、隣の席に座った長嶋終身名誉監督との会話を「緊張して、全部は覚えてなくて…」と言いながら、心に刻まれた瞬間を振り返った。

 長嶋氏 来年、何歳になるんだ?

 内海 35歳です。

 長嶋氏 (野球人にとって)一番、いい年齢じゃないか。オレも一番いい時だったんだ。

 数字は雄弁に語る。長嶋氏は34歳だった70年、打率2割6分9厘、22本塁打、105打点だったが、35歳だった71年は打率3割2分、34本塁打、86打点と大活躍した。同氏は「野手は上下のバランスがね。35歳の体は非常にいいんだ」と経験則を強調。「内海もやるでしょう」と断言した。

 内海にとって、最高の言葉だった。今季は9勝で復活の兆しを示したが、来季は「完全」復活を宣言。今オフは「常に70%の状態を維持する」“相川式”を導入し、来季に向けた自主トレを継続する。ミスターからのお墨付きに「太鼓判を押されて、気合が入った」と目を輝かせた。

 09年に「内海哲也ランドセル基金」を設立し、児童養護施設の児童に通算1087個を贈った。来季の目標には規定投球回の143個を設定。将来的な目標に通算2000個を掲げた。「1人でも多くの子どもたちにプレゼントできるように。野球人として、もうひと花咲かせる」と決意を込めた。【久保賢吾】