佐野日大(栃木)の新監督に、同校OBで元阪神投手の麦倉洋一氏(45)が就任することが3日、分かった。来年4月から指揮を執る予定で、巨人沢村らを育てた松本弘司監督(65)の勇退と合わせて、明日5日にも発表される。松本監督は名誉監督に就任する。

 麦倉氏は松本監督の教え子で、甲子園初出場を果たした89年夏のエース。甲子園では開幕試合となった近大福山戦で、自らの決勝アーチによる1-0完封勝利を飾った。松本監督の薫陶を受け、89年ドラフト3位で阪神に入団したものの、2年目で右肘を痛めて94年に引退した。引退後はスポーツメーカーに勤務し、阪神担当として長く甲子園に通っていた。

 指導者を目指し、14年3月に学生野球資格を回復した。恩師の松本監督は通算40年の監督生活で春夏10度の甲子園を経験し、10年には日本高野連から育成功労賞を受賞した名将。その路線を継承しチームを強化する。

 ◆麦倉洋一(むぎくら・よういち)1971年(昭46)7月29日生まれ、栃木・都賀町(現栃木市)出身。佐野日大ではエースとして89年夏に甲子園初出場に貢献。栃木大会は全試合無失点で、甲子園の1回戦も完封。2回戦の初回まで48イニング無失点を続けた。同年ドラフト3位で阪神に入団。右肘痛に悩まされて94年に引退。プロ通算12試合2勝4敗。178センチ、79キロ。右投げ右打ち。