侍ジャパンがアジアNO・1を競うアジアチャンピオンシップ大会を来年11月に開催する構想があることが28日、分かった。日本野球機構(NPB)が年内の業務を終了し、プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)が、新たな国際試合を開催する可能性を示唆した。来年3月には第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が行われ、来秋の新大会開催が実現すれば、20年東京五輪に向けて、再スタートを切る格好の舞台になる。

 NPB事務局で今年1年を総括した熊崎コミッショナーは、20年東京五輪での野球・ソフトボールの種目復活に感謝し、来春WBCでの世界一奪還へ強い決意を口にした。さらに東京五輪に向けて、WBC後の侍ジャパンの事業展開について言及した。

 「19年にはプレミア12があり、3年半後にはオリンピックがある。その間にどのような国際試合を行うか。来年11月の国際試合を含めた企画は進んでいる」と話した。具体的な説明は行わなかったが、韓国、台湾の代表チームなど、4カ国前後で争うアジアチャンピオンシップの開催を検討しているとみられる。

 大会開催が実現すれば、20年東京五輪に向けて格好の舞台になる。現状では来春WBCを終えると、19年秋のプレミア12まで2年以上国際大会が行われない。12年に侍ジャパンを常設化して以降では最長ブランクで、真剣勝負を求める待望論は高まっていた。熊崎コミッショナーは「オリンピックまでの国際試合をどのように組み立てて、どのようにオリンピックにつなげていくか」と課題に挙げ、これまでも実行委員会などで議論を行ってきた。

 05年からは日本シリーズ優勝チームが出場するアジアシリーズが開催されたが、代表チーム同士の試合はなかった。WBCは米国のWBCI、プレミア12は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催。新たな国際大会はNPBが主催することを目指し、実現すれば、国内だけではなく、世界に向けた野球の普及、振興を目指す侍ジャパンの方針とも合致する。

 さらに熊崎コミッショナーは、東京五輪の指揮を執る新監督の選考にも言及。「3月の結果をまず見る。WBCで世界一を奪還することが第一義で、その上で4月以降オリンピックの監督人事を含めて議論することになる」と言った。現状では監督候補には原辰徳氏、中畑清氏、秋山幸二氏、松井秀喜氏らが挙がるとみられ、総監督に長嶋茂雄氏を加える待望論もある。来年11月の新大会は、新監督の初陣になる可能性もありそうだ。