今年はやる! 広島堂林翔太内野手(25)が6日、広島市内のトレーニングジム「アスリート」で自主トレを公開。プロ8年目に向け最強のボディーを作り上げたことを明かした。今オフは新井貴浩内野手(39)に弟子入りして合同自主トレを敢行。マンマークで野球論を学んでいる。背水の陣で挑む17年は、顔つきが違うぞ。

 分厚くなった胸板に、充実感がにじむ。新井に弟子入りしている堂林は、黙々とトレーニングに打ち込んだ。重りをつけたバーベルを両肩で担ぎ、片足ずつ前に出して沈み込む「ランジ」では、新井を超える重量130キロをクリア。「今までの自分の体で一番の状態」と自信を口にした。体重も2キロ増の92キロ。トレーニング後も真っすぐ前を向いていた。17年は勝負の年。過去の自分は捨ててきた。

 明らかに目の色が違う。師匠の新井も「気持ちが入っている」と評価する。堂林は「去年からずっと気持ちを持ってやっている。今まで以上に危機感がある。優勝に貢献出来なかった悔しさもある」と力強い。昨季は47試合で打率2割5分に終わった。それでもルナが退団し、首脳陣は期待を寄せている。かつて「持ってる」と言われた男は、「本当にやれるんだという姿を見せたい。やっと本当の勝負が出来る」と燃えている。

 師匠の教えは「継続」だ。新井はマイナーチェンジこそあれ、打撃フォームの根本はほとんど変わっていない。継続で形をつくり、壁にぶち当たれば小手先ではなく努力で突破する。得た成功体験は自信となり、根付く。この日はジムに入る前の約1時間、マツダスタジアムで打撃をつきっきりで見てもらった。「同じことを継続して出来ていると言われた。今まで通り春のキャンプでも続けていきたい。不安も多いけど、自分に期待している」と少しだけ笑顔になった。

 今月中旬に行う護摩行にも同行し、メンタル面も強化する。なりふり構わず、がむしゃらに目標に突き進む。本命は三塁だが外野の守備も「出ないと意味がない。どこがいいとか言っていられない」と挑戦する覚悟も持つ。「堂林+泥臭さ」がどんな化学反応を起こすか。連覇のカギも握られている。【池本泰尚】