中日岩瀬仁紀投手(42)が17日、前人未到の1000試合登板を「大目標」に掲げた。15日に参加した名球会イベント(宮崎)を振り返り、会員の大先輩、江夏豊氏(68)に大台を目指すように激励されたという。

 「江夏(豊)さんがしきりに1000試合投げろと言ってくださった。その期待に応えるためには、今年が勝負になりますから」。自主トレ中のナゴヤ球場で振り返った岩瀬が顔をほころばせた。206勝を挙げる一方で、途中から救援に転向して193セーブ。日本一を決めた「江夏の21球」など、抑えとしての印象も強い先輩左腕からうれしいエールを送られた。

 岩瀬はプロ18年で歴代3位の904試合に投げてきた。今年完全復活できれば、同2位金田正一の944試合、同1位米田哲也の949試合も射程圏。その上で来年も現役続行なら…。13年まで続けた15年連続50試合登板のプロ野球記録を持つ男なら、4桁も夢物語ではないと思えてくる。

 もちろん1000への道も1歩から。長いオフは1つずつ階段を上ってきた。この日のブルペンではフィニッシュで体が跳ねるほど腕を振り、新球の曲がりの小さい高速スライダーも多投した。計42球。自身最速とも言える形で仕上がっている。

 「しっかり(状態を)作らなきゃいけない立場。新しいこと(新球)をやらないといけないから、余計にね。特別急いでるわけじゃないけど、キチッとやっていたらそうなる」。今季に進退をかける男に、モチベーションが1つ加わった。【柏原誠】