沢村賞投法だ! 広島岡田明丈投手(23)が18日、マツダスタジアム隣接の屋内練習場で合同自主トレに参加した。昨秋から取り組む新フォームに、チームメートのクリス・ジョンソン投手(32)の動きを取り入れた。間(ま)を取り、相手打者を詰まらせる技術に学び、2年目の進化を誓う。

 新しい感覚を確かめるように1球1球、投じた。力を入れた球の力強さ、時折笑みがこぼれる表情からも、2年目を迎える岡田の順調な調整具合がうかがえる。肩の仕上がり以上に、新フォームの手応えが自信を与えている。昨秋から意識してきた「間」が、キャッチボールからも生まれていることを実感している。

 「間ができるように考えながらオフも継続してやってきた。平地で投げていても感覚はいい」

 昨季は左足を速く下ろして着地と同時にリリース。肩のラインが上下して制球にも影響していた。だが、昨秋キャンプでフォーム矯正に着手。軸足に重心を残し、左足を下ろす時間、踏み込んでリリースまでにも「間」を求めた。

 「高めに抜けないように。(踏み込んだ)足がついてからも間があれば、打者を差し込ませることができると思う」。秋季キャンプは手探り状態だったが今オフに方向性が明確になった。

 最高の見本は身近にいた。沢村賞左腕のジョンソンだ。「打者を詰まらせることができるのは球威だけではなく、間合いもあると思う。なかなか体が開かないあの動きもできないと」。イメージを重ねながら、自分に合った体の使い方を模索。徐々に近づいている実感があるようだ。

 肉体面ではオフの間も食事管理を徹底し、体脂肪率13~15%をキープした。肩の仕上がりも早い。16日の合同自主トレ初日、力強い伸びのあるノックの返球に先輩選手からは「まだ1月だぞ」という驚きの声が上がったほど。

 キャンプ地へ先乗りする24日までにブルペン投球を行い、日南の地でギアを上げる。「昨年は慣れていないところがあった。今年はシーズンと変わらない気持ちでやりたい。結果を残したい」。フォームだけでなく、成績でもジョンソンに近づく。連覇へ、キーマンの1人が上々のスタートを切った。【前原淳】