遊撃奪取の誓いだ! 阪神鳥谷敬内野手(35)が26日、兵庫・神戸市内で日刊スポーツ新聞西日本主催の「キャンプイン直前プレミアムトーク2017」に出演した。イベント6回目で最多の約1000人の観衆を前に、今オフ初めて遊撃一本で勝負する決意を公言。北條らとのバトル勝利へ実績をかなぐり捨て、2~3月の実戦から結果を追求する覚悟を明かした。

 ギラつく両目が本心を表していた。鳥谷はブレることなく、遊撃奪取だけに照準を定めていた。「キャンプを見れば、どこを守るか分かるでしょ」。そう苦笑いしながらも、胸の奥底に秘めた覚悟を明かした。

 鳥谷 勝負できるポジションというのは、今まで自分が守ってきた場所で勝負するということ。

 昨年11月下旬、遊撃一本での勝負を金本監督に志願した。2日前の24日には自主トレ公開の場で「レギュラーで出られるポジションを見つけて」と表現。イメージするポジションはやはり遊撃に他ならない。

 トークショーの中でも特別な思い入れを隠さなかった。「遊撃は1年間出ることに難しさがある。1週間だけ守るなら誰でもできると思うけど、フルで出るのは体の負担が全然違う」。かつては40歳遊撃手を大目標に掲げていた。無抵抗で明け渡すつもりはない。

 鳥谷 もちろん実戦形式やオープン戦に対する意識も変わってくる。今までは状態を確認しながらだったけど、今年はポジションを取りにいかないといけない。気持ち的には2、3年目の時と一緒。そこで結果を残せなければ試合に出られないんだから。

 1年前の沖縄キャンプでは2月25日の日本ハム戦で初実戦に臨んだ。今年もマイペース調整を許される立場だが、甘える気はない。「出ろと言われたら2月1日からでも試合に出られる状態にはある」。北條らとの激しいポジション争いに入る中、2月の紅白戦や練習試合、3月のオープン戦はいわばテスト会場。仮に指令が下れば、チーム初実戦となる2月8日紅白戦での出場もいとわない。

 鳥谷 プロ野球選手は年齢でやるものではない。24歳でやめる人もいれば50歳までやる人もいる。しっかり自分のパフォーマンスを出せれば負けるとは思っていない。あらためて自分と向き合って、自分と闘って、1日1日クリアできれば、いい1年になると思う。

 トークショーの最後、再奪取の誓いを立てた。遊撃手鳥谷。まだ物語の幕は下ろさない。【佐井陽介】