先発争いで松坂の強烈ライバルとなるソフトバンク・ドラフト1位、田中正義投手(22=創価大)は初キャンプへ向け、不安なしを強調した。「不安は今のところありません。精神的にもいつも通りできていると思います」。決してビッグマウスにはならないが、顔には充実感があふれていた。28日は自主トレ3度目となるブルペン投球。捕手を座らせ37球を投げた。直球24球にカーブ、カット、フォークボールの変化球が13球。キャンプ前のラスト投球は手応え十分だったようだ。

 「(投球は)今までで一番良かったんじゃないですか。(準備は)できたと思います」。キャンプに入れば第1クールは直球のみの調整。さらに精度を上げ、第2クールからは打撃投手登板も予定している。弱点克服も田中の表情をさらに明るくさせた。苦手と公言していた12分間走ではこの日、2920メートルを走り、投手陣の設定ノルマ(2850メートル)をクリア。「ノルマをクリアできたので問題ありません」。前回12日の数字は2780メートルで設定ノルマを下回っていただけに、胸を張って? 宮崎入りできる。走り終えた後「イージー、イージー」と珍しく軽口も飛び出した。

 3週間の合同自主トレも今日29日が最終日。期待のルーキーは、もちろん「怪物」にも負ける気はない。【佐竹英治】