「三種の神器」で本塁打量産だ! 2年目のオリックス吉田正尚外野手(23)が、今日1日のキャンプインを前に、材質の違う3種類のバットを使い分けていく考えを明かした。アオダモ、ホワイトアッシュ、メープルを用意。重さ900~910グラム、長さ85・5センチは同じだが、「自分の感覚で変えていく。去年は(ホワイト)アッシュで打った本塁打が多かったですね」と球界でも異例のプランを披露した。

 バットを提供するアンダーアーマーの担当者は、「他に3種類を使う選手は知らないですね」と証言。現役時代にアオダモを使用した福良監督も「珍しいね」と話した。それだけ吉田正が繊細な感覚を大事にしたいということだ。材質によって硬さや打感が異なり、気候によっても重さも微妙に変わる。キャンプには特注のジュラルミン製のバットケースを持ち込んだ。

 昨春の宮崎キャンプは故障の出遅れで2軍スタート。途中で1軍昇格したが、張り切りすぎて右脇腹を痛め、わずか2日で再降格した。今年は満を持して初の1軍スタート。「ポスト糸井」の期待も大きい。

 「去年のキャンプはペース配分が分からなかった。今年は違う。オフにいい時間を過ごせた。1日1日、焦らずにやる」。昨年10本塁打の打撃だけでなく守備、走塁も1カ月間のテーマ。「守備なら駿太さんもいる。いろいろ教わってやりたい」。オーバーペースに注意しながら、貪欲に吸収していく。【大池和幸】

 ◆3種のバットの特徴 ホワイトアッシュは強度が低いが反発力があり、メジャーリーグで多く使用。オリックスT-岡田ら長距離打者が好む傾向にある。湿気を吸って重量の変化が大きい。アオダモは打感が柔らかく、しなりがある。マリナーズ時代のイチローが主に使っていたとされる。資材として貴重で、流通量は少ない。メープルは両者の中間に位置する材質と言われる。DeNA筒香が昨年使用した。