2年ぶりのキャンプ連投解禁だ。ソフトバンク松坂大輔投手(36)が4日、ブルペンで135球の投げ込みを行った。打撃投手を務めた前日3日には161球を投げており、2日間で296球の熱投。右手中指にマメができたため途中で投球を断念したが、若手時代をほうふつとさせる投げっぷり。3年契約最終年。右肩手術からの完全復活に向け、背水の男の熱い思いがボールに乗った。

 時間を忘れ、松坂が黙々と投げ込んだ。直球、カーブに加え、この日からシュートも投げ始めた。100球を超えても投げるテンポは落ちず、気がつくと135球…。最後は苦笑いでボールを置いたが、実は右手中指にマメができたため。まだ投げ足りないという胸中が表情に表れていた。

 「マメさえなければ、いつまででも投げられる感じでした。今はブルペンで投げるのが苦じゃないので、投げられるときに投げて、しっかりフォームを固めていければ。肩の状態もいいし、投げていてそこまで疲れが出ないようになっているのかもしれないですね」

 前日3日には打撃投手を務め、直後にはブルペンでおかわり投球をするなど161球を投げていた。キャンプ初日の1日にも59球を投げており、球数は4日間で早くも350球に到達。ソフトバンクのキャンプ視察に訪れた侍ジャパンの権藤投手コーチが「キューバ戦の先発いけるんじゃないか?」と、ジョークを飛ばすほどの仕上がりだ。

 松坂は西武時代の03年に2月7、8、9日の3日間でブルペン3連投し、計401球を投げるなど、もともと投げ込んで肩をつくりあげるタイプ。ホークス入り後は15年の2月14、15日に計222球を投げたのが最高。右肩の手術明けだった昨年はキャンプ中のブルペンでの連投が禁じられており、キャンプでは2年ぶりとなる連投だった。

 「明日投げると完全にマメをつぶしちゃうかもしれないので、やめるかもしれないです」と松坂。さすがに3連投は否定的だったが「疲れのピークが早くきてほしい」という言葉が、状態の良さを物語っていた。【福岡吉央】