秘蔵っ子の1、2番コンビの活躍で、金本阪神が今季初の巨人戦で12安打5得点と快勝した。2番高山俊外野手(23)が決勝打を含む2安打2打点。1番北條史也内野手(22)もダメ押し適時打に2四球と2人で3打点5出塁だ。金本知憲監督(48)は糸井嘉男外野手(35)の3番も示唆。昨季のリーグ王者広島と大型補強した巨人に対抗する17年オーダーが見えてきた。

 2年目金本阪神が売り出す1、2番コンビが躍動した。北條と高山だ。22歳と23歳の若虎が攻撃の起点となって12安打5得点を導き、今季初のG倒ショーを演出した。

 2人の歯車ががっちりとかみ合ったのは、1点をリードされた直後の3回だ。無死一塁で、北條が2打席連続四球を選んでつないだ。続く高山が巨人今村の外角スライダーを右前に運び、すかさず同点だ。高山は「1本目は右打ちのサインだったので」と涼しい顔で話したが、虎の将は2番の役割を高く評価した。

 金本監督 左投手で外に投げられると逆方向やセンターに打つのが基本だけど、その中で右(方向)にね。結果はボテボテだったけど、仮にセカンドに取られても、1死二、三塁になるから、そこらへんですよね。

 前日の初回先頭弾に続き、課題だった引っ張り打法をマスターしたばかりか、5回にも勝ち越しの中前適時打。高山も「シンプルにバットが出せた」と喜んだ。2安打2打点で、キャンプからの実戦打率を3割7分1厘まで上げた。北條も1安打1打点3出塁。盗塁も1つ決め、1番の役割をしっかり果たした。

 理想は昨季、広島の25年ぶりリーグ優勝に貢献した「タナキク」コンビだろう。1、2番が塁をにぎわせ、中軸でかえす。片岡打撃コーチも「ああいうのは理想ではある。それで去年(広島の)得点力も上がった。残りのオープン戦で試していかないといけない」と明かした。

 金本監督はこの日、糸井の3番起用を示唆。北條と高山のどちらを1、2番にするか定まっていないが、若虎とFA戦力の融合で得点力アップを目指すオーダーが濃厚になってきた。

 この日は福留が4番で実戦初出場し、5番原口、6番鳥谷、7番上本など、17年型開幕オーダーの全体像が見えてきた。12年ぶりV奪回へ。王者広島や大型補強を敢行した巨人にも負けないオーダーを、オープン戦残り11試合で完成させる。【梶本長之】