今年の虎は外国人投手も打つぞ! 阪神がDeNA先発ウィーランド相手に、梅野と北條の連続二塁打で決勝点を奪った。新助っ人を打ちあぐね、昨年までならズルズルいくところで6回のワンチャンスを生かした。ここ2年は外国人先発試合で大きく負け越していたが、今オープン戦は外国人相手でも打線が活発。これなら3・31開幕広島戦のジョンソン打ちもOK?

 粘り勝ちに価値がある。その直前、北條は2球連続で低め直球をファウルで耐えていた。両チーム無得点で迎えた6回無死二塁。2ボール2ストライクからの7球目、最後は低めに沈むチェンジアップをすくい上げた。「逆方向を意識していたから(体が)開かずに打てました」。大飛球の適時二塁打を左中間芝生に弾ませ、DeNA新助っ人右腕ウィーランドから先制&決勝の1点をもぎ取った。

 17年虎打線はひと味違う。初見のウィーランドに気分良くは帰らせない。5回までは2安打無得点も、6回は先頭の8番梅野が左翼線二塁打で口火を切った。「サダ(岩貞)も頑張っていたので。カウント有利から長打になってプレッシャーを与えられた」。直後に北條が先制打。右腕をこの回での降板に導いた。

 阪神は2年連続で“助っ投”に負け越している。相手先発が外国人投手の場合、15年は14勝18敗、16年は10勝16敗1分けと苦しんだ。ウィーランドは身長188センチから140キロ台の直球を投げ下ろす、虎が苦手にしがちなパワー投手系。金本監督が「カーブが良かった。ボールもよく動いてそう」と警戒する投球で制球力もあった。本番対決を見すえれば無得点で終わらなかった事実は小さくない。

 指揮官は北條について「よく対応した」と評価。ここ3試合は9番で起用しているが、「1番北條」復活の可能性にも触れた。

 金本監督 中途半端に7、8番よりは9番の方が1番に感覚的には近い。(1番北條は)上本による。(北條は)できれば上位で使いたいけどね。まだまだ6、7番では力不足な気がする。パワー不足というか。胸板、薄っぺらいから。気にしているから、アイツ。

 指揮官の言葉を伝え聞いた北條は「ちょっとだけ(胸板)薄くなりました」と笑い飛ばす余裕があった。昨季2割2厘だった得点圏打率はオープン戦で3割。「それを課題としてキャンプからやってきた」という三振数減プランも順調だ。

 31日の開幕広島戦の相手先発はジョンソンと目される。昨季5試合で1勝3敗、防御率1・91と抑え込まれた難敵だけに、粘りなくして勝利はない。だからこそ、「1番北條」も捨てがたい。【佐井陽介】

 ▼阪神は今年のオープン戦で、対外国人投手のチーム打率が3割7分1厘(97打数36安打)。日本人相手の2割5分9厘(282打数73安打)から大きく跳ね上がる。相手先発投手が外国人の公式戦で、16年は10勝16敗1分けで借金6、15年は14勝18敗で借金4と、2年連続で負け越し中。開幕戦で当たることが決定的な広島ジョンソンには、2年間で6勝(1敗)を許し、防御率1・49。15年には巨人マイコラスに3勝0敗、同ポレダ(退団)には5勝(2敗)されるなど、外国人投手に苦戦してきた。