中日のローテーション争いが混迷状態に陥った。ロッテ戦は鈴木が先発して3回無失点。4年目で初の開幕ローテ当確かと思われたが、制球に課題を残し、首脳陣は評価を保留した。2番手小熊は3回1失点。ウエスタン・リーグ、オリックス戦では若松が5回3失点。枠を争う3人がインパクトを残せなかった。

 森監督は鈴木と小熊について「見ての通り」と甲乙をつけず「ピピッとこないな~」と決め手に欠ける現状を憂えた。「若松もピリッとしないし、みんなピリッとしない。困りましたね」と足早に車に乗り込んだ。友利投手コーチは「はいダメも、はい合格もいない。こちらが望んでいるレベルの競争、結果、内容ではないけど、総崩れでもない」と状況を説明した。

 開幕まで1週間。ローテはいまだ不確定要素が多く、鈴木は「即決」で割って入る勢いを求められていた。制球の乱れを反省しつつ「4四球したけど2つは配球面でいい勉強になった。直球はしっかり指にかかっていた。あとはもっとカーブを使えたら」と前向きにとらえた。この日、自己最速146キロを出すなど成長を続ける21歳。かりに開幕当初の1軍入りがかなわずとも、出番はすぐに訪れるはずだ。【柏原誠】

 ◆中日のローテ事情 開幕投手は大野が内定。ほかにローテ入りがはっきりしているのは吉見くらい。巨人、広島に強いバルデスも有力で、バルデスと入れ替わり起用のジョーダンも計算されている。広島キラーの八木は2カード目に登場しそう。安定感がある山井も6戦目までに先発濃厚だ。又吉、若松、小熊、鈴木が流動的とみられている。