テンポのよさがノーヒットノーランリレーを呼び込んだ。予定は5回だったが、6回終了時に91球。佐藤投手コーチから「もう1イニング」と送り出された。7回、小窪の三塁線への強いゴロを明石が横っ跳びで好捕。丸の左翼への大きな飛球は中村晃がジャンピングキャッチ。ストライク先行で打たせる投球が野手にもリズムを持たせ、美技連発につながった。

 試合途中で、投手板を踏む位置を一塁側からやや真ん中に変えるなど、まだ完成ではない。「苦渋の決断」とローテ入りを見送った工藤監督でさえ「これからに期待をさせてくれる投球。彼の新しいスタイルができた」と期待はつないだ。今日26日から筑後のファーム施設で調整するが、今季は必ず、松坂の力が必要な時が来るはずだ。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクは松坂、五十嵐、サファテのリレーでノーヒットノーランを達成。オープン戦のノーヒットノーランは、4投手のリレーで記録した95年3月8日オリックス以来で、0-0の85年ヤクルトを含めて2リーグ制後は9度目。ソフトバンクでは、南海時代の88年3月23日西川がヤクルト戦で記録して以来、29年ぶり。一方、広島がノーヒットノーランを喫したのは86年3月27日近鉄戦、88年4月2日西武戦に次いで3度目となり、中日の2度を抜いて最多となった。