東京ドームで開幕3連敗した森中日が、ナゴヤドームで流れを変える。5日は15年の移籍後、広島戦4勝2敗、防御率1・17の左腕八木がスタンバイ、逆襲の切り札になる。

 出番は来た。今こそ、力を発揮するときだ。5日広島戦に先発予定の八木は「(開幕ローテを)勝ち取ったというか、広島戦ですし。僕の中で合わせていた」と標準はバッチリ。昨年のリーグ王者の前に、壁として大きくそびえ立つ。

 15年の移籍後2年間で、広島に4勝2敗、防御率1・17と得意としてきた。「結果として数字を見たら(広島を)抑えている。ここで抑えないと生きていけない」と表情を引き締めた。首脳陣もその力を信じている。森監督は「得意技を年に1回でいいから、今回見せてほしい。そのために(好相性なところを)買っているんだから」と勝利を厳命した。

 昨年、左肘痛に苦しみ1軍登板のチャンスは8月の1試合のみ。それも広島戦だった。結果次第で処遇が決まることも示唆されていた一戦で、6回1失点(勝敗なし)に抑え、キラーぶりを発揮した。契約更改後の会見では「生きる道」とまで言った広島戦でのマウンド。鈴木、小熊ら若手投手との先発争いも譲らず勝ち抜いた。

 開幕2カード目からのキラーの登場に、広島も戦々恐々だろう。八木は今春の沖縄キャンプは2軍で調整。実戦に登板すると聞きつけると、広島の担当スコアラーは1軍の北谷球場から2軍の読谷球場に走った。連覇を目指す広島の要注意人物の1人であることは間違いない。

 チームは巨人との開幕カードに3連敗し、名古屋に帰ってきた。「(開幕3連敗は)全く考えていない。やるべきことをやるだけ。勝てればいいこと」。鯉の料理人が、空気をガラッと変える。【宮崎えり子】