12回裏1死一塁、西武浅村は右中間を破るサヨナラ適時二塁打を放つと、二塁付近でひざまずき、チームメートがふりかける水を心地よさそうに浴びた。「最高です。今日は勝ちたかった。優勝したいので、首位楽天に勝てたのは大きい」。興奮したためか、ベンチにグラブやタブレット端末を置き忘れたまま、控室に引き揚げてしまった。それはチームメートも同じ。球団スタッフが大量の忘れ物を両手に抱えて運んだ。

 直前にルーキー源田が犠打をミス。「それをカバーしたいという気持ちが強かった。あいつはいつも頑張ってくれているので」。就任後初のサヨナラ勝ちとなった辻監督は「救われました。源田もそうだし、私も采配で反省すべき点があった」と感謝した。

 浅村は「今はミスが出ても、ベンチの中がヘンな空気にならない」とチームのポジティブな雰囲気を強調する。打率4割1分9厘。新主将が新生西武を、力強く背中で引っ張る。