DeNA筒香嘉智外野手(25)が“トリプルスリー”で快勝へ導いた。今季初の複数打点となる「3」打点を挙げ、今季初の「3」試合連続打点で、今季初の「3」連勝をマーク。主砲がけん引した打線は、今季最多タイで先発全員の13安打、今季初の2桁となる11得点。先発の石田も初勝利と投打がかみ合い、借金は1。今日にも勝率5割復帰に挑戦する。

 筒香の打球は速く、二塁の名手荒木のすぐ横をゴロで抜けていった。3回無死一塁。若松の108キロスローカーブにも体重を軸足にしっかり残し、振り抜いた。打球はあっという間に右中間に達し、一塁走者の梶谷が生還。3試合連続となる打点を挙げた。

 続く4回にも打った。1死満塁から初球の136キロ直球を左前にはじき返した。「前の打者がつないでくれて、自分もその流れに乗ることができました」。2者が生還し、合計3打点。19試合目にして今季初の複数打点を挙げたが「試合に勝てたのが一番です。(石田)健大に勝ちがついたのが良かった。エースが勝ったのが一番」。主将としてチームの勝利を何より喜んだ。

 開幕から16試合目まで、わずか1打点だった。一方で13四球を選び、全試合で出塁していた。3番にいたロペスが好調だった一方、4番筒香は勝負を避けられ、フラストレーションがたまりがちな状況だった。同じように、好投してもこれまで白星がつかなかった石田は、筒香にこう諭されたという。

 石田 ゴーさんもストライクを投げてもらえず厳しい状況。『そういう経験をできていることをプラスに考えていこうと。シーズンは始まったばかり』と。

 投打の主軸だからこそ、求められる水準が高い。筒香は自らを題材に、メンタル面のコントロール方法を石田に伝えていた。

 4番が打てば、打線は自然とつながる。DeNAは今季初の2桁得点を挙げた。ラミレス監督は「打線は特に筒香がいいところで打ってくれて、つられてみんな打ってくれた。本塁打もすぐに出ると思う」。筒香はファン待望の今季初アーチについて「打てるに越したことはないけど、チームが勝つのが一番。ケースによって狙うことはあるけど、バラバラです」。慌てることなく、どっしり構える。【斎藤直樹】