マイコ打ったけど、まだいた天敵…。阪神が、巨人田口麗斗投手(21)に単独2位浮上を阻まれた。7回を4安打1得点と攻略できず、左腕との対決は昨年から数えて6連敗。前日21日にはマイルズ・マイコラス投手(28)を打ち崩していたが、金本知憲監督(49)は「同じ投手にやられすぎ」と工夫のない打線を嘆いた。試合後に、高山や北條ら若虎が緊急の打撃チェック。2カード連続の負け越しは避けたいところだ。

 スコアボードは初回の「1」が記されただけ。2回以降、打線は沈黙したまま、ゲームセットを迎えた。フラストレーションのたまる試合だった。金本監督はムッとした表情でベンチ裏に姿を見せた。

 「去年から何敗しとんかな? 去年、5敗? 今年で6敗。ちょっと、いいかげん、対策というか個人個人で…。球筋も散々、見ているわけですから」

 巨人田口に対し、昨年は5敗を喫し、防御率1・67と完全に抑え込まれた。連敗は「6」に伸び、天敵を攻略できなかった。

 指揮官は苦い思いでベンチから戦況を見ていた。福留の先制タイムリーの後、打線は勢いづかない。直球とスライダー主体の投球に翻弄(ほんろう)され、7回までたった4安打。対応できない打線を嘆いた。

 「(球種は)2種類ぐらいしかないでしょ? チェンジもあるけど、特別空振り取るチェンジアップがあるわけじゃないんだから。打席で迷いがあるのか。どうかな…。去年から6つ負けている。やられ過ぎ、同じピッチャーに」

 左腕が相手で中谷の先発も選択肢にあったが、前夜に続き、1番で高山を起用した。片岡打撃コーチは「高山に1番で勢いをつけてほしいというのはあった。クリーンアップの前にどれだけランナーを置くかだが、それができなかった」と振り返った。4打席に凡退し、首脳陣の期待に応えられなかった。「スライダーを打たないと、と思っていた。悔しいです」。糸井や原口、鳥谷も無安打で攻略の糸口をつかめなかった。試合後には高山や北條、梅野ら若虎が球場に居残った。緊急の打撃チェックが行われた模様だ。

 単独2位浮上はならず、3位に後退。敵地6連戦で2カード連続の負け越しは避けたい。きょう23日の第3戦で猛虎の意地を見たい。【田口真一郎】

 ▼18試合を消化した阪神の成績を、開幕直後の9試合と直近の9試合に分けると、打率が前半より6分以上、得点も20点、本塁打も9本から1本に激減。攻撃力の落ち込みが目立つ。それでいて前後半とも5勝4敗なのは、前半46失点だった防御面が後半26失点と改善しているためといえる。