DeNA筒香嘉智外野手(25)が、聖地で目覚めの1発を狙う。今日25日から始まる阪神3連戦に向け24日、敵地の甲子園に乗り込んだ。4位から巻き返しを狙うチームは、2位タイの阪神に3連勝すれば順位が入れ替わる。2つの借金を返済でき、Aクラス浮上もかかる大事なカード。開幕から20試合85打席本塁打がない主砲は「感覚はだいぶよくなってきている」と、感覚を研ぎ澄ませている。

 甲子園は、ホームランの生みの苦しみを晴らした場所でもある。プロ8年目で球界を代表する大砲となったが、甲子園での本塁打は昨季が初めてだった。4月14日にセ・リーグ6球団の本拠地では、最後のアーチを放って“制覇”。そこから本塁打と打点の打撃2冠へと、量産態勢に入った。「どこが相手だろうと、どこでやろうと、自分がやることは変わらない」と、今季初アーチを生み出す。

 もともと聖地に愛された男だ。横浜高時代の08年、2年生の夏に連続本塁打で、最多タイ記録となる8打点を挙げた。筒香の名前を全国にとどろかせるきっかけとなった。22日の中日戦では、今季初の3打点を挙げ確実に調子は上がってきている。ラミレス監督からも「どんどん思い切って振っていけ」と後押しを受ける。主砲への信頼は揺るぎない。

 昨季は虎に泣かされた。9勝15敗で借金6。その数を減らした分だけ、優勝の現実味を増す。「去年は去年のこと。また試合で頑張るだけ」。筒香は不変のスタンスで聖地3連戦に臨む。【栗田成芳】