楽天の9番足立祐一捕手(27)が攻守に活躍して、連勝に貢献した。7日の西武戦で3試合連続マスクをかぶり、7回を投げた先発の岸を好リード。3回の第1打席では、1死三塁から先制のスクイズを決めた。主将の嶋が腰痛、細川は左ふくらはぎを痛めて捕手2人が戦列を離れる厳しい状況の中、存在感を示した。

 梨田監督が「1ボールになったらやろうと決めていた」と振り返る3回のスクイズ。足立は2球目を投前に転がした。「しっかりバットに当てていこうと。球も高かったし、しっかり当てられて良かった」と声を弾ませた。その後、2番ペゲーロに2点本塁打が飛び出して計3点。先制点が流れを呼んだ。

 正捕手の嶋が4月29日に1軍登録から外れた。その日に足立は今季初スタメンで起用された。7試合に出場して4勝3敗と五分に近いが連敗はない。前日6日には3安打2打点。嶋が離脱したことで「これでダメだったらと、言われるのは嫌なので」と強い責任感がある。

 新人の昨年は、1点を取られないリードに集中しがちだったのが「1点を取られてもアウトを増やしていく心のゆとりがある」と、昨季73試合出場の経験から考え方が変わった。この日は7回に岸が2者連続本塁打を浴び、さらに2死二塁と一打同点の場面でも冷静なリードでピンチを断った。岸の古巣西武からの初勝利をアシスト。首位を快走する楽天に欠かせない捕手になりつつある。【久野朗】