日本ハムの「勝利の方程式」が、がっちりはまった。10日の西武8回戦(札幌ドーム)で、救援陣による無失点リレーで接戦をものにした。1点差の7回途中から谷元圭介(32)、宮西尚生(31)がピンチをしのぎ、8回はクリス・マーティン(30)、9回は増井浩俊(32)が締めくくった。チームの最大の強みを発揮し、3連敗を阻止。対西武の連敗も「5」で止めた。

 心の奥から、ほえた。「よっしゃー」。マウンドの宮西が、グラブを左手で力強くたたいた。ガッツポーズで握った手にも力がこもる。1点リードの7回2死二塁。秋山をスライダーで空振り三振に仕留め、1点も許せない状況を切り抜けた。「なんとか抑えて(先発の)加藤に勝ちをつけてあげたい。それだけだった」。救援陣の思いを口にした。

 7回、好投の加藤が1死二塁のピンチを招き、勝負の継投に打って出た。まずは谷元。2球で木村文を左飛に抑え、惜しみなく宮西を投入した。左右の2投手がワンポイントできっちり電光掲示板に「0」を刻んだ。吉井投手コーチは加藤からの継投に「(抑える)確率の高い方を選択しました。よく頑張ってくれました」とたたえた。

 2人の好救援で流れを引き寄せ、あとは盤石のリレーだ。8回のマーティンは右肘の張りから7日に復帰後、初の本拠地登板。「気持ち良かった」と慣れ親しんだマウンドを堪能。1イニングを3者凡退に抑え、バトンを託した。9回はリリーフで3勝を挙げている増井だ。「セーブ数を伸ばしていきたい」と本音を明かしたこともあり、リードを守ってこそ、真骨頂。5セーブ目に「1点をみんなで守りきれたので良かった」と安堵(あんど)した。

 4月1日西武戦(札幌ドーム)では、谷元-宮西-増井-マーティンで今季初勝利を飾った。起用順こそ違うが、再び勝ちパターンの4投手が、気持ちをつないだ。栗山監督は「方程式はいらない。勝つために1試合、1試合必死にやっていくだけ」としつつも「ある程度方向性はできている。適材適所」と手応えを話した。登板順、投球回数は状況に応じながらも、4投手が白星への中心になる。