ベンチでは出しっぱなしの声が、チームを動かす。工藤監督は「ほかの選手も声を出すようになった。非常にいいなと思います」と、川崎加入でチームの雰囲気が変わったと話す。4月28日に川崎は1軍復帰した。その前日までは23試合で12勝11敗だったが、復帰後は12試合で10勝2敗と大幅に貯金をつくっている。

 ドーム球場のナイトゲームでも、川崎は目の下を黒く塗る。アイブラックというまぶしさ防止のためのものだ。「ドーム球場はまぶしいからね。照り返しも強いし、メジャーリーガーも最近はナイターでもしている。自分で描いてますよ。みんな習字で使ったことあるあの墨ですよ」。汗をかいた試合終盤は頬にたれていることも多い。

 「1500安打も打てるとは思わなかった。スペシャルな日になった。1999安打で引退できる自信はある。こだわりはない。それがオレのやり方」。シンプルに野球を楽しむ川崎の加入が、開幕から波に乗れなかったチームを変えた。1位楽天の背中をとらえはじめている。【石橋隆雄】

 ▼川崎が日本復帰後初の猛打賞。川崎の1試合2安打以上は大リーグ時代を含めても、ブルージェイズに在籍した14年9月26日オリオールズ戦(3打数2安打)以来。猛打賞は同8月26日レッドソックス戦(4打数3安打)以来となった。