外国人パワーが、さく裂した。楽天ゼラス・ウィーラー内野手(30)が、1回に先制の7号ソロ、3回には2打席連発の8号ソロをマークした。カルロス・ペゲーロ外野手(30)も5回に9号3ラン。シーズン初のアベック弾を放った2人を中心に打線が16安打10得点と爆発し、オリックスとのカード初戦を見事に勝ちきった。

 今度は打球の行方を見るまでもなかった。ウィーラーは、してやったりの表情で一塁へ走りだした。マウンド上で肩を落とすオリックス金子を横目に、満面の笑みでホームを踏んだ。1点リードの3回1死走者なしから放った8号ソロは、球場の5階席に飛び込む推定140メートルの特大アーチだった。1回にも左翼席の中段へ先制の7号ソロを放っており、「何でこんなに打てたのか分からない。いつも通り、考えすぎないように打っただけ」と2打席連発で流れを引き寄せた。

 ウィーラーにだけ、いい思いをさせない-。負けじと、ペゲーロもその怪力を発揮した。同点の5回無死二、三塁からバックスクリーンへ決勝の9号3ランをぶち込んだ。「いつも通り、シンプルに甘い球を打った結果」と納得の一打だった。この回、打者一巡の猛攻で、6安打6得点。ウィーラー&ペゲーロの2人による今季初のアベック弾で、金子をマウンドから引きずり降ろした。

 梨田監督も上機嫌になるはずだ。2人の外国人が打線をけん引し、10得点とつながった。「ウィーラーもペゲーロもいいところで打ってくれたね。アマダーが打っていたら、三役そろい踏みになっていたのに。3横綱土俵入りか」と報道陣の笑いを誘った。

 好調な打線の波に、エースが乗る。則本が偉業へ向けて、今日24日のオリックス戦(ほっと神戸)に先発する。91年に野茂(近鉄)が達成したプロ野球記録・6戦連続2桁奪三振へ王手としている。自身2度目のほっと神戸は、プロ初の2桁奪三振を記録した縁起のいい場所だ。

 則本 偉大な人の記録に挑戦できることは、本当にありがたいことだと思っています。でも、三振が0でも勝たなくてはいけない。泥臭くていいから、勝ちたい。

 勝利が、最低条件と強い覚悟を背負う。6勝目に、快挙を合わせ、極上の投球で、首位のチームをさらに加速させる。【栗田尚樹】