日本ハム栗山英樹監督(56)が、大きな決断を下した。ソフトバンク8回戦(札幌ドーム)は、先発の有原航平投手(24)が、自己ワーストタイの8失点で3回KO。試合後、2軍降格が決まった。開幕戦を託したローテの軸。指揮官は「一番苦しいのはオレ。でも選手のために、やってあげなきゃいけない。時間がないので、手を打ちます。とにかく1つでも上にあがって勝負しないと、間に合わなくなる」。チームを浮上させるための方策と信じ、心を決めた。

 本来の有原の姿は、この日のマウンドにもなかった。初回、内川の右前先制打とデスパイネの3ランで早々に4点を失うと、3回にも松田に1発を浴びるなどあっという間の8失点。「走者がたまった状態でホームラン。思うような投球ができなくて、申し訳ないです。(2軍で)しっかりと練習してきたい」。悔しさを押し殺し、静かに言葉をつないだ。

 今季は開幕から4連敗。5月に入り白星はついたが、防御率6・83はリーグワーストと、チーム低迷の一因にもなっていた。栗山監督は「有原が投げて勝つというパターンがつくれなければ、チームは浮上しない」。絶対的に必要な戦力だと信頼が揺るぎないからこそ、ファーム調整をきっかけに状態を取り戻してくれることを願った。

 最大9点差を一時4点差まで詰め寄るなど、打線は一時期の不調を脱している。投手陣との歯車がかみ合えば、一気に逆襲に転じる可能性はある。大谷の復帰、有原の復調が、大きな鍵を握る。【本間翼】