得意の守備でさっそくマウンドの則本を救った。1回と3回は1死一、二塁から流れるような送球で遊→二→一の併殺を完成。2回も二塁カバーで中村晃の盗塁を阻止した。打撃では8回1死一、三塁。バットを折りながらも内角直球を左前に運び、ダメ押しの4点目をもたらした。梨田監督は「いいタイミングで、いい補強をしてもらった。故障者続出を助けてもらった」と感謝。負傷離脱中の大砲ペゲーロの穴も埋めた。

 快打に代走を出されてベンチへ戻ると、笑顔でファンに左手を上げて応えた。打席の登場曲はロッテ、巨人時代から一貫して、マーク・アンソニーの「VIVIR MI VIDA」。歌詞はこうだ。

 「私は笑おう。そして人生を楽しもう。自分の人生を生きるんだ」

 ひたむきに頑張れば、人生は1日で好転する。クルーズは、笑っていた。【鎌田良美】

 ◆ルイス・クルーズ 1984年2月10日生まれ、メキシコ出身。00年にレッドソックス入団。パドレス、パイレーツと渡り、08年にパ軍でメジャーデビュー。ドジャース在籍の12年には78試合で打率2割9分7厘、6本塁打、40打点をマーク。13年7月にヤンキースに移籍したが、同年8月に戦力外。14年来日後は2年間ロッテでプレー。16年からは巨人と2年契約を結んだ。今季2軍で48試合で打率3割5厘、10本塁打、25打点。WBCには06、13、17年にメキシコ代表として出場した。183センチ、95キロ。右投げ右打ち。

 ◆トレード後即出場 直近では05年沖原(阪神→楽天)がトレード後に即出場。6月10日に楽天前田とのトレード成立が発表されると、同日の広島戦に「2番・遊撃」でスタメン。新天地初戦は4打数1安打1四球だった。