中日荒木雅博内野手(39)が得意のロケットダイブで決勝点をもぎ取った。

 1点を追う8回。1死三塁で代打で登場すると左前にしぶとく落とす同点打。犠打で二塁に進むと、京田の浅い右前打で本塁に突進。空中を飛ぶような豪快なダイビングでタッチをかいくぐり、左手の先でホームベースを触った。

 「普通でしょ。何も言うことはないよ」とチーム野手最年長はサラリ。捕手のブロックが規制された「コリジョンルール」が昨年から導入されたことで「あれだけ空いていればね。ブロックされていたらキツかったけど」と謙虚に話した。

 初回に先発吉見が4点を奪われ、体調の問題もあって2回から継投策になる苦しい展開。だが、初回にゲレーロの32号3ランで立て直し、3-6の4回は松井雅の2点三塁打で再び1点差とした。伊藤、祖父江、谷元、又吉と3回以降0点でつないだリリーフ陣の奮闘に応え、8回のチャンスをものにした。

 積極的な交代策で逆転劇を実らせた森監督は「動くときは全部動こうと決めていた。投手が残り0人になっても、行くときは行こうと。荒木はしぶとく打ったが、それよりあの打球でかえってきたことを見てほしい」とベテランの姿に感服していた。【柏原誠】