28日をもって退任した阪神掛布雅之2軍監督(62)が、フロントマンとして常勝軍団づくりをサポートすることを誓った。29日、大阪・福島区の阪神電鉄本社を訪れ、坂井信也オーナー(69=電鉄本社相談役)に退任のあいさつ。今後について「シーズンが終了してから、球団の方から正式なポジションの発表があると思う。(阪神)球団の方でお世話になることは間違いない」と球団残留を表明した。正式な肩書は未定だが、オーナー付アドバイザーを託される見込みだ。

 オーナーとの会談は、「恐縮されて『ありがとうございました』と。それだけで十分ですね」と笑顔。ラスト采配となった、前日のウエスタン・リーグ広島戦(甲子園)から一夜明け、「朝の目覚めもすっきりできた」とにこやかに言った。

 2軍監督を経験し、肌身で感じたことがある。「現場でベンチに入ると、(解説者時代に)立体的に見えた野球が平面的に見えてビックリした。ベンチからだと、立体的に見えるまで時間がかかる」。再び立場が変わることについて「球団サイドで見る野球ってのは、どういう野球なんだろうって興味がある」と胸を躍らせ、新しく勉強できる環境を喜んだ。背番号31を脱いだミスタータイガースは、フロントマンとして日本一の夢を追い続ける。【真柴健】